車の「発煙筒」と「発炎筒」はどちらが正解?使い方・使用期限・車検時の注意点
- 雑学
こんにちは、CARさっぽろです!
自分の車が事故や故障で動けなくなったら、後続車に危険を知らせるため、助手席の足元左側に備え付けられている“ハツエントウ”を使用します。
多くのドライバーが、おそらく「発煙筒」または「発炎筒」のいずれかの漢字を思い浮かべたことでしょう。
正解は「発炎筒」なのですが、皆さんは分かりましたか?
この記事では、間違えやすい発炎筒の使い方や使用期限、車検時の注意点などについて解説します。
車の発炎筒とは
日本で走行することが認められている車には、例外なく発炎筒が備え付けられています。
日本保安炎筒工業会によると、発炎筒の正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」で、製品性能は日本工業規格(JIS)によって定められています。
事故や故障といった非常時に、他の車の視界を邪魔しない明るさを保ちつつ、赤い灯光を発して他の車などに自車の存在を知らせるものです。
道路運送車両の保安基準第43の二では、一部自動車を除いて装備義務が設けられており、原則として自家用の普通自動車には発炎筒を搭載しなければなりません。
「発煙筒」との違い
発炎筒と同じ読み方をする「発煙筒」は、車に搭載する発炎筒とは似て非なるもので、使い方がやや異なります。
発炎筒は、あくまでもその炎(灯光)によって自社の存在を伝えるためのものですが、発煙筒は筒から出る「煙」によって自分の存在を周囲に知らせるものです。
例えば、災害時の救難信号として、または写真撮影時に何らかの効果を狙って利用されることが多いでしょう。
しかし、道路で発煙筒を使用すると、たくさんの煙が周囲の視界を遮ってしまい、新しい事故を誘発してしまうおそれがあります。
よって、発煙筒を車のトラブル時に使用するケースは、森の奥深くで遭難してしまったなどの例外を除いて、ほぼないものと考えてよいでしょう。
車の発炎筒の使い方
発炎筒は、マッチを擦ってつけるようなイメージで、次のような流れで使用します。
- 発炎筒本体の外筒キャップを外す
- 外筒キャップに付いている擦り板を使い、発炎筒本体のマッチ部分を擦る
- 着火して炎が勢いよく出たら、火傷に気を付けて車後方に発炎筒を置く
発炎筒の炎は、縦に立てておく必要はなく、横に寝かせても十分目立ちます。
置き場所の目安としては、車の停車位置から50m前後が目安で、目視で測る際は道路の白線の間隔を目安にしましょう。
一般道路 | 車道の白線が5m、空白区間が5mのため、白線5本分を目安に距離を測る |
高速道路 | 車道の白線が8m、空白区間が12mのため、白線3本分を目安に距離を測る |
車の発炎筒を使用するシチュエーション
車の発炎筒は、主に一般道路・高速道路で自分の車が立ち往生してしまった場合に使用しますが、他にも様々な場面で用いられます。
以下、代表的な例をまとめました。
使用例 | 詳細 |
---|---|
他の車両の立ち往生 | 自車以外の事故車両が道をふさいでいる場合など |
障害物の確認 | 動物が路上に倒れている場合、大きな荷物が散らばっている場合など |
災害時の視界不良 | 雪や雨などで視界が悪い状況で、車両・人の存在を知らせたい場合など |
踏切での脱輪・故障等 | 踏切内で車が動けなくなった状況を確認し、発炎筒で電車に危険を知らせる必要がある場合など |
なお、踏切で脱輪・故障等に遭遇した際は、踏切の非常ボタンを押した上で発炎筒を使用することが大切です。
車の発炎筒の使用期限
車の発炎筒には使用期限があり、確実な性能を維持できる有効期限は4年(JIS)となっています。
もし、有効期限が切れた発炎筒を使おうとすると、劣化などの理由から点火しないリスクがあります。
もちろん、使用期限切れだからといって、絶対に点火しないとは言い切れませんが、安全のため発炎筒は定期的に買い替えましょう。
近年では、火薬を使わないLEDが採用された商品も登場しているため、そちらもおすすめです。
車の発炎筒は車検時に注意!
大前提として、発炎筒が搭載されていない自家用車は、原則として車検を通せません。
そのため、何らかの理由で発炎筒を一度使用してしまったら、新しいものを買って愛車に備え付けておく必要があります。
逆に、有効期限を過ぎた発炎筒を装備していても、車検は通ってしまいます。
車検上問題ないからといって古い発炎筒をそのままにしておくと、万一の際に役に立たない可能性があります。
車を購入してから一度も発炎筒を交換していない場合は、有効期限を確認することをおすすめします。
まとめ
車のトラブル時に使うのは、煙が出る「発煙筒」ではなく、炎で知らせる「発炎筒」が正解です!
マッチのように擦るだけで簡単に使用でき、いざという時に役立つ大切なアイテムですが、実は有効期限が4年と決まっています。
期限切れでも車検は通ってしまうため、万が一の事態に備え、一度ご自身の車の発炎筒をチェックし、期限が過ぎていたら交換しておくと安心です。
最近は便利なLEDタイプも登場しているため、そちらも検討してみましょう。
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